皆さん、こんにちは。
日本語学校には、様々な国籍の留学生が在籍しています。そんな彼らはどの様にして、自分の学校を知り、入学してきたのか?気になる方は多いのではないでしょうか。
留学生の多くが現地のエージェントを通じて日本語学校に入学してきます。そんな日本語学校に勤めていると必ず耳にする「エージェント」について、今回は詳しくご紹介します。
エージェントは具体的に何をしているのか
具体的に以下の様なサービスを提供し、ビジネスを展開しているエージェントが多くあり、提供するサービスは多岐に渡ります。
これらを自分一人で完結するのは簡単ではありません。しかも英語があまり話せないのであれば尚更難易度が上がります。そんな時に頼るのがエージェントであり、これは日本留学希望者も同じです。
- 留学希望者に対して、日本語学校や日本の専門学校、大学の情報を発信、提供
- 留学生希望者を日本語学校や専門学校、大学に紹介
- 留学希望者に日本語教育を実施(日本留学前の日本語学習)
- 留学ビザに関わる書類の準備、各種提出書類の翻訳作成
- 留学ビザ交付後の学費送金サポート
- 留学ビザ交付後の現地日本大使館ビザ査証準備及び書類サポート
- 日本大使館ビザ査証取得後の来日航空券手配
- 来日後の銀行口座開設、ケータイSIMの取得、役所登録手続きサポート(一部のエージェント)
- 日本での住まい探しサポート
- 日本語学校等との調整、トラブル対応(日本語通訳含む)
上記以外のサービスを展開している企業もありますが、何れのサービスも希望者が安心して日本に留学出来る為のサービスです。
私たち日本人が海外留学を考える際、留学エージェントを利用する方も多いと思うのですが、それの日本留学版です。
何故、エージェントが必要なのか
「英語があまり話せないけど、英語留学がしたい!」そんな日本人の私達が留学先のリサーチ、入学申込からビザの取得、航空券手配や入学後の住まい探し等、自分一人で出来ますか?
何故、日本語学校にとってエージェントは欠かせないのか
先ず上記エージェントが展開する全てのサービスを日本語学校が出来るかと言うと、ほぼ無理です。
日本語学校が現地に学校兼事務所を開設し、現地スタッフを採用してエージェントサービスを展開するのであれば出来るかもしれませんが、コストがかかり過ぎ、現実的ではありません。
日本語学校単独では、現地留学希望者へのアプローチが難しい
現地で日本留学を希望している方に対して、日本語学校が出来るアプローチは非常に限られています。
主なアプローチ方法としては、ホームページやSNS(インスタ、Facebook等)、現地の高等学校や大学で学校説明会を独自開催が挙げられます。
何の方法に関しても、先ず情報の発信や学校説明会を開くには現地の言葉を話せる人材が必要になります。また、学校説明会をしたい!と言った所で、受け入れてくれる学校も多くはありません。
その為、日本語学校が出来るアプローチは限られてしまい、留学希望者の獲得が難しいのが現状です。その為、現地エージェントの力が必要になってきます。
全て自活出来る程、日本語学校の予算に余裕はない
別の記事でもご紹介しましたが、日本語学校の収入源は、生徒が納める学費しかありません。定員超過もできず、増員もすぐに出来ない為、予算は限られている学校が大半です。
実際にその様な状況下において、海外に事務所を開設したり、新たに母語話者を何人も採用する事は非常に難しく、限られた予算内で入学希望者を獲得するには、エージェントの力が必要になります。
日本語学校単独では、留学ビザに必要か書類準備が難しい
上述した事に加えて、入学希望者はビザを取得しなければ、留学生として日本に長期留学は出来ません。
ビザを取得する為、先ずは日本の入国管理局に必要書類を提出し、許可を貰います。無論、全ての入学希望者にビザが出る訳ではありません。
また、ビザに必要な書類は多岐に渡り、現地の役所や銀行、経費支弁者の書類を取得し、且つ各外国語書類には日本語訳を添付しなければなりません。
入学希望者がたくさんいる中で、希望者全員分のビザ書類の準備、日本語訳の作成を日本語学校で実施するのは極めて難しいです。そこでエージェントの力が必要になります。
悪質なエージェントには注意が必要
ここまでで、日本語学校にとってエージェントが必要な理由はご理解頂けたと思います。しかし、一部のエージェントが悪質な留学生ビジネスを行なっています。
ここからは、悪質なエージェントの傾向を紹介していきます。悪質なエージェントを見抜き、良いエージェントと提携する為の参考にしてください。
会社•学校登録を何もしていない、見知らぬ個人エージェントに注意する
日本語学校には、よく見知らぬ個人から、学生を紹介したい旨の連絡が来ます。
- 学生を紹介したいんですけど、どうすれば良いですか?
- 個人で紹介したいんですけど、コミッションはいくら貰えますか?(いきなりお金の話)
- 学生がたくさんいます。紹介したいです。
上記の様な連絡が来たら、先ずは学校として、しっかりスクリーニングをしましょう。特にコミッション(学生紹介料)ばかり気にしている個人エージェントは無視して構いません。
また、違法な事をしている悪質な個人エージェントもいますので、会社登記、学校登録(現地法人設立)をしていない、する予定がない様な個人からの紹介は極力受けない事をお勧めします。
必ず新しいエージェントとは打ち合わせをする
日本語学校には、様々なエージェントから問い合わせが来ます。このエージェントなら提携しても良いかな?と思っても、先ずは打ち合わせをし、お互いの事を知る事が大切です。
打ち合わせでは、学校紹介は勿論のこと、双方の質疑応答、契約について話し合いましょう。打ち合わせにより、電話やメールだけでは見えなかった所も見えてきます。
相手側がおかしい、合わないと思えば紹介を受けない、業務提携をしなければokですので、きちんと見極めましょう。打ち合わせを断る様なエージェントとは提携しない事を強くお勧めします。
留学希望者を紹介するだけのエージェントに注意する
エージェントの中には、留学生を紹介した後は全くサポートをしない所もあります。「学生を紹介するだけで儲かる」と勘違いしているエージェントに見られる傾向です。
エージェントもビジネスですので、収益を上げなければいけないのは当然です。しかし、お金を貰うのは、そんな簡単ではありません。
また、受け入れた日本語学校にとって、留学生紹介以外の各種サポートを全くやらないエージェントから紹介された学生のサポートを全て自分達がやらなければなりません。これは非常に大変です。
学生紹介だけして何もしない様なエージェントとは即効提携を解消しましょう。または上述の様に、事前スクリーニングや打ち合わせで相手側の本心を見抜きましょう。
良きエージェントは良きパートナーになる
エージェントの中には、真に留学生の事、彼らの将来や日本での成功をサポートされている所も多くあります。悪質なエージェントばかりではありません。
そんなエージェントと良好な関係を築く事は、日々の留学生サポートにも大いに役立ちます。また、良き相談相手としても日本語学校をサポートしてくれます。
本記事により、日本語学校が良きエージェントに出会い、エージェントは良き日本語学校に出会える事を願っています。