新たに日本留学生40万人計画か発表され、コロナ禍以降年々留学生は増えています。その為、日本全国で留学生を見かける機会も多いのではないでしょうか。
また、そんな留学生をコンビニや物流センター、レストラン等で見かける機会も増えています。彼らの多くはアルバイトとして働いており、特に人手不足の外食、小売産業にとっては貴重な労働源になっています。
その為、これから留学生アルバイトの雇用を考えている企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、これから留学生アルバイトの雇用を考えている方に向けて、特に留意しなければならない重要事項をご紹介します。
うちのお店も留学生アルバイトを雇いたいと思ってるんだけど、何か規則とかあるの?
もちろんあるよ!
彼らの活動のメインは留学で勉強なんだ。勉強に悪影響が出ない様に、様々な規則が課せられてる。
なるほど!では具体的にどんな規則があるのかを把握しないとね。
なるほど!では具体的にどんな規則があるのかを把握しないとね。
そうだね!規則を把握したうで、各規則に則って留学生アルバイトを採用しよう!
留学生の就労時間制限
留学生の主な活動は勉強であり、就労ではありません。留学生の中には就労優先で勉強を疎かにしてしまう方も一定数いる事から、法務省管轄の下、以下の就労時間制限が設けられています。
特に在籍している学校指定の長期休み期間に関しては、解釈の注意が必要です。
特に日本語学校には、指定されていない長期休み(主に期末テスト休み)のある学校があります。留学生は、これを長期休みと勘違いし、1週間40時間まで働きたい旨の申請をする可能性があります。
学校が指定していなければ、長期休みに該当はしません。従って通常時と判断される為、この間に40時間就労を認めてしまうと違反になってしまいます(留学生、雇い主双方が違反者)。
違反してしまった場合、学生は規則違反の超過労働で強制帰国の対象となり、留学生としての将来が無くなります。雇い主側に関しては、故意であった場合、是正勧告、営業停止等の処置が下される可能性があります。
資格外活動許可有無の確認
また、留学生がアルバイトをするには
資格外活動許可が必要です。この許可が無いと、留学生はアルバイトが出来ません。
6か月以上の長期滞在をする全ての外国人に対して在留カードが発行されます。在留カード裏面、赤マーカーの箇所に資格外活動許可印が押されていれば、アルバイトが出来ます。
日本に入国したばかりの留学生は、日本入国時に空港入管で資格外活動許可申請をし、その場で許可印を貰います。
しかし、空港入管で申請を忘れてしまう又は申請しない留学生も一定数いますので、留学生の採用面接時に必ず在留カード裏面の確認をしましょう。
留学生を雇用出来ない業種がある
留学生は以下の業種(風俗法に関わる仕事)でアルバイトをする事が出来ません。その為、該当業種の雇用主は留学生アルバイトを雇用出来ません。
- 風俗店(キャバクラ、ガールズバー等含む)
- ラブホテル(学生が一般的なホテルと勘違いして応募してしまう事があります)
- お客さんと直接の接客を要する居酒屋及びバー
残念ながら東京都内のガールズバーやキャバクラで違法に就労している留学生(中国、韓国、ベトナム等)が一定数います。これは違法就労です。違法就労の斡旋は罪に問われ、懲役及び罰金刑が課されます。
留学生が別の仕事をしているか確認
上述の通り、留学生の就労可能時間は1週間28時間まで、学校指定の長期休みに限り週40時間までです。
留学生の中には、別の職場でも働いているケース、ダブルワークをしている事も多いのが現状です。
ここで問題になるのは、別の職場で、1週間に何時間就労しているのか?を正確に把握しなければならない事です。
もし、他の職場で週28時間働いている事を知らずに雇用し、働かせてしまったら、確実に週28時間の制限を超過します。
そうなると、違法就労を認めているも同然になり、留学生自身も就労規則違反で強制送還の対象になりますので、必ず正確な就労状況を把握しなければなりません。
日本人と同じ雇用条件での雇用
留学生は日本語力不足、母国との習慣、価値観の違いから、特にコミュニケーション問題が起こりやすい状況にはあります。
しかし、留学生だからと言って日本人よりも低い時給で雇用したり、最低賃金を下回る雇用等の不当な扱いをしてはなりません。
仮に不当な雇用をしている場合、留学生がビザ更新をする際に、就労先の情報を申告しなければなりません。申告する就労先の情報は以下の通りです。
- 企業名
- 企業所在地
- 就労時間
- 時給
- 仕事内容
上記の情報が入国管理局に申告され、入管で記録されます。入国管理局は法務省直轄の政府機関であり、不当な就労を課している事が発覚すれば、査察や調査が入ります。
留学生にも人権が有り、彼らは国を代表して来ています。雇用主は、留学生だからと言って不当な扱い、雇用をすれば、世界に対して日本国が今まで築き上げてきた信頼にも泥を塗る事になる事を理解しなければなりません。
最後に
如何でしたか。留学生アルバイトを雇用する上で必ず知っておくべき事を4点にまとめ、紹介しました。
実際に多くの企業が留学生アルバイトを雇用しており、特に外食、物流業界においては貴重な労働力となっているのも現実です。
留学生、雇用主双方が正しく規則を理解、把握しなければ、気付かない間に違反を犯す可能性も少なくありません。
本記事がこれから留学生雇用を考えている企業様のお役に立てたら幸いです。
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