みなさん、こんにちは。
当サイトでは、日本語学校事務員の仕事内容や関連業務について多数ご紹介してきました。実は大半の日本語学校には、この事務員を統括するリーダーが存在します。これが日本語学校の事務長です。
事務長は事務を統括する重要な役職者ですので、当然役職手当の支給、基本給のアップ等の恩恵があります。また、転職活動においても、事務長レベルは貴重な戦力である為、給与面で優遇されます。
今回はそんな日本語学校事務長の仕事内容について、事務長経験者の私が詳しく解説していきます。内容をささっと知りたい方は是非仕事内容の所を読んでください♂️
事務長の主な仕事内容は?

先ずは事務長の主な仕事について、解説していきます。役職者ですので、当然マネジメント業務をメインに担います。但し、日本語学校によって事務長が担う業務範囲が異なる事があります。
- 在校生の生活サポートにおける方針取り決め
- 在校生の生活指導の方針、顛末、処分の決定及び取りまとめ
- 入学希望者の募集及び在留資格認定証明書申請業務の取りまとめ
- 入管業務全般の取りまとめ
- 新任者の研修
- 各種校内規定や学則の見直し、修正、追加及び規定全般の取りまとめ
- 外部機関との商談、交渉及び外部機関との契約取りまとめ
- 経費全般の把握と部門予算の編成作業取りまとめ
- 事務職員のマネジメント、適正業務量の把握と業務割振、業務指示
- 勤怠、経費管理、取りまとめ
マネジメントの観点から、各種業務を取りまとめるリーダー
例えば、事務員の仕事の中でも在学生の生活サポート、生活指導は非常に重要です。しかし、生活サポート、生活指導の範囲は相当広く、日々生徒は様々な事を事務所に相談に来ますし、生活指導も厳格な指導から臨機応変な指導まで様々です。
事務員の仕事内容に関しては別記事で紹介していますので、そちらを参考にしてください。
事務長として、まず重要業務の一つである生活サポートは具体的にどこまでをサービスとして取り扱うかを決めなければなりません。
何故なら、在学生のありとあらゆる生活サポートを実施してしまうと、事務部の業務が増え過ぎて回らなくなってしまいます。ですので、現在の人員の中で、如何に効率的に組織が機能するかの観点から、事務部をマネジメントをする必要があります。
例えば、入国後の役所登録や保険証、マイナンバーカード発行、銀行口座開設手続きを学校がサポートするのか、学生(留学エージェント)にやらせるのか、これを全部やっていて、あなたの組織が本当に機能するでしょうか。
もし、最低限の人手しかいないのであれば、確実に組織は機能しません。その場合、この入国後のサービスは実施せず、外部委託にするのが得策です。事務長にはこの判断が求められます。
仮に学校方針として、以前からずっとやっているから…という旧体質的な理由で今も無理矢理続けているのであれは、見直しが必要であり、それを上層部に提言するのマネジメント業務です。
入管関連義務の最終チェッカー
入管関連義務は大きく分けると、ビザ更新、入学前ビザ申請、✳︎各種定期報告があります。これらの業務の最終チェッカーとして、記入ミスや書類漏れが無いかを確認しなければなりません。
入管業務は学校運営に関わる大切な業務です。何故なら、入管への必要書類の提出漏れ(電子申告漏れ)報告漏れや記入ミスの見落としは学校経営の根幹を揺るがしかねる問題へと発展する可能性があるのです。以下ではより詳細を紹介していきます。
ビザ更新業務の最終チェッカー
日本語学校の生徒は在学期間中に必ず1回ビザ更新があります。ほぼ全ての日本語学校が生徒の代わりに学校が更新書類を入管に提出します(学校取次)。
このビザ更新にあたり、入管から指定されている書類を提出しなければなりません。また、必ず生徒の在留期限内に更新に必要な書類を入管に提出しなければなりません。
当然の事ですが、期限内に提出を怠れば生徒は生徒の意に反してオーバーステイとなってしまい、強制帰国となってしまいます。その為、事務長として以下の確認が必要となります。
- ビザ更新対象者全員の在留期限の再確認
- ビザ更新対象者全員のパスポート期限の再確認(パスポート期限が切れても日本に滞在出来なくなります)
- 対象者全員の書類最終チェック(記入ミス、、サイン漏れ、提出書類の漏れがないか)
- パスポート更新中の生徒がいないか確認(パスポート更新中の生徒は別途理由書と書類が必要な為)
- 在留カード、パスポート回収時に全員分あるかを最終確認(直前になって誰かのがない!という事がよくある為)
事務長が上記確認は必ず実施した上で、ビザ更新業務を進めましょう。生徒がビザ更新に失敗してしまうと、強制帰国となりますので、責任重大です。
学校としてもビザ更新の失敗(不許可)は、入管査察の対象ともなり、且つ納入された学費の返金も必要となり、経営面においてマイナスなことしかありません。役職者として背負ってる業務の重要さを認識しましょう。
ビザ申請業務の最終チェッカー
日本語学校におけるビザ申請業務に関しては別記事で紹介していますので、そちらを参照してみてください。
入学希望者のビザ申請業務において、事務長に求められる最終チェッカーとしての業務は主に以下の3つになります。これが出来なければ、事務長としての業務は務まらないと言っても過言ではありません。
- 学生募集人数及び最終申請者数を募集担当職員に確認し、不足があれば追加募集をするかを判断する(書類期限から逆算して可能かどうか)
- 入管に提出する書類の最終チェック(出来る限り多くの申請者書類、特に経験の浅い職員が担当した書類)
- 入管に提出する各種付属資料の内容確認(記入漏れ、記入ミス、提出資料は全て揃っているか)
上記3点にミスが多数あり、入学希望者のビザ(COE)があまり交付されなかった場合、何が起こると思いますか?
簡単です。売り上げが入ってきません。例えば100人のビザが交付される事を見込んでいたのに、10人しかビザが交付されなかった場合、売り上げは予定の1/10しか入ってきません。
日本語学校の収入減は学費です。学費が入って来なければ収入は無くなり、赤字経営となり、最終的には経営破綻となります。どれだけこのビザ申請業務が重要であるか、そして確実にビザを交付させるには事務長の力が不可欠なのです。
事務長の経験と知識、最終チェッカーとしての役割が学校経営の根幹を支えると言っても過言ではありません。事務長を目指している方は、まずこのビザ申請業務の知識と経験を蓄えましょう。
入管定期報告の最終チェッカー(今後は文部科学省)
日本語学校が定期的に入管に報告すること、提出書類が多数あります。この報告又は提出を怠るとペナルティとされ、常態化してしまうと抹消処分とされてしまいます(法務省告示の取消し/今後は文部科学省認定校の取消し)。
具体的な入管への定期提出物、報告する内容には以下の物があります。
- 課程修了者の日本語能力報告
- 毎6ヶ月ごとの在籍者の出席率報告
- 自己点検評価報告
- 留学生受け入れ報告
- 留学生受け入れ終了報告
- 在籍者数報告(毎年5月と11月)
- 毎月の出席率が50パーセント以下となった生徒の報告(理由記載の上)
- 日本語教育現況報告書送付(毎年4回/主に東京入管管轄の学校のみ)
- 教員登録報告(教員が新たに入職した場合に行う)
日本語学校によっては事務長が上記全てを担当する場合もあれば、一部を教務部(主に教務主任)が行う場合もあります。何も報告漏れは致命的ですので、事務長が取りまとめ、最終チェッカをした後提出をします。
新入社員·部下の育成と研修

日本語学校の事務員の仕事は多岐に渡り、様々な業務を覚えなければなりません。同時に事務長に続く2番手、3番手の育成も必要であり、次が育っていなければ事務長にかかる業務量は膨大なものになります。
以下は私自身の経験から、特に入管業務と日本語学校概要に関しては、座学が非常に有効的です。実践を積む前にまずは座学研修を実施してみましょう。
事務長が居なくても現場が回せる状態にする
事務長がいなければ何も判断出来ない、入管報告も出来ない、そんな状態に陥っている学校があるのであれば、事務長の部下育成方法が間違っています。
もちろん、新人さんにいきなり業務を振っても出来る訳がありません。大体半年程で日本語学校の事務業務が何となくわかってきますので、この段階で少しずつ自分の担当していた業務を振っていきましょう。
無論いきなり責任重大な業務を振るのはNGです。これでは部下が辛いだけですので、ライトな業務から振っていきましょう。
部下が育ってきたら、新たな取り組みやサービスを検討する
部下の成長が目に見えてくると嬉しいものですが、部下が育ってきたから自分が楽をするのは違います。部下がカバーできる仕事範囲が広くなってきたら、今まで出来なかったことも可能になります。
具体的には今までは検討すら出来なかったサービスやシステムの導入があげられます。また、今使っている書式を新しくしたり、ホームページのデザインや内容を変更したり等、今までは現場業務に追われていたせいで出来なかった事にも取り組むことができるのです。
長い目で育成をする
部下の成長は会社、学校の成長にも繋がります。しかし、最初から一度教えただけですぐ出来る新人なんてごく僅かです。必ずミスをしますし、指導しなければならない場面も出てくるでしょう。
一時的にはミスや効率の悪さで大変になるかもしれませんが、信じて任せていけば必ず成長します。短気にならず、長い目で部下を育成しましょう。事務長のあなたが育てた部下がいつか必ず自分を助けてくれるはずです。
最後に
如何でしたか。日本語学校の事務員の求人自体はあまり多くありません。その為、事務員として経験を積んでいけば、会社から事務長昇格のお誘いを受ける事の方が多いです。
「事務長って何をすれば良いの?」と焦る気持ちと不安は誰でも最初は抱く物です。そんな時に本記事が皆様のお役に立てたら嬉しいです。


