みなさん、こんにちは。
日本語学校で職員をしているとよく起こるハプニングがあります。それは、学生が所持品を紛失することです(笑)
海外に比べて日本は安全と言われて安心しているのか、財布をズボンの後ろポケットに入れて歩いたり、バッグを置きっぱなしにしたり…
日本だからと言って油断するな!と毎回伝えているのですが、2ヶ月に一回位の頻度で誰かが所持品を無くします(笑)
今日は所持品の中で最も紛失してはいけない在留カードを紛失した場合の対応について、詳しく解説していきます。
在留カード不携帯は法律違反!

まず絶対に押さえておかなければならない事は、在留カード不携帯は法律違反であり、発覚した場合、罪に問われることです。
在留カードは、日本国政府から居住者として在留を許可されている事を示す証明書です。
従って在留カードを紛失してしまうと、日本国在留を本当に許可されているのかが分からなくなってしまうのです。
まずは紛失した場所近くの交番へ

在留カードを紛失してしまったら、まずは留学生最寄りの交番に行く様伝えましょう。日本語があまり出来ない学生の場合は引率する必要もあります。
交番に行ったら、紛失届を貰いましょう。この紛失届は、後に入国管理局で在留カードを再発行する際に必要になります。
紛失届を貰うには、交番で所定の書式に記入が必要になりますので、手続きに大体30-60分程度を要しますので、予め頭に入れておきましょう。
盗難と紛失で処理が異なる
在留カードをどこかに落としてしまった場合は、警察は紛失としての処理してくれます。
しかし、誰かに盗まれたとなると最寄りの交番では処理ができません。その場合は最寄りの警察署に行って盗難として処理をしてもらいます。
盗難処理の場合、警察の方による現場検証等も発生します。かなりの時間を要しますので事前に覚えておきましょう。
紛失届を貰ったら、入国管理局へ
紛失届を貰ったら、学生を連れて管轄の入国管理局に行きましょう。学生一人で行ける場合は、事前に必要書類確認の上、行かせましょう。
入国管理局にて、在留カードの再発行手続きを行います。特に問題が無ければ当日発行してもらえますが、受け取りまで3時間程度を要する事がありますので予め覚えておきましょう。
パスポート、学生証を必ず持参する
紛失により在留カードが無い為、パスポート、学生証を必ず持参しましょう。この二つが無い場合、再発行手続きを受付してくれませんので注意が必要です。
もし、パスポートも紛失していたら
パスポートも紛失してしまった場合は、学生が住んでいる最寄りの市役所(区役所)に行って住民票を発行してもらいましょう。住民票があれば、受付をしてくれます。
住民票は区役所や市役所で貰えますが、在留カードやパスポートが無いと発行してもらえません。
もし、在留カードもパスポートも紛失している場合は、公共料金の請求書(学生の住所、氏名がある)を持参すれば発行してくれます。
必要書類リスト
以下に在留カード再交付申請に必要な書類をリスト化しました。入国管理局に行く際に漏れの無いようにしましょう。
- パスポート
- 学生証
- 在留カード再交付申請書(入管にもあります)
- 資格外活動許可申請書(入管にもあります)
- 紛失届又は盗難届
- 顔写真(申請書添付用)
✳︎パスポートも紛失している場合は住民票、パスポートがない理由書(入管にあります)が必要。
再発防止対策について
ほとんどの日本語学校では、留学生が入学後すぐに日本生活全般に関わるオリエンテーションを実施しています。
この入学時オリエンテーションにおいて、在留カード携帯義務や紛失時の対応について説明をしている日本語学校が大半です。
しかし、留学生にとっては、この入学時のオリエンテーションだけでは、不十分です。入学時は覚えていた事も半年経過すると忘れてしまうからです。
その為、定期的に留学生に対して、案内や注意喚起をしていかなければなりません。
校内用の連絡網(チャットグループ等)で注意喚起
学校内専用のSNSグループチャットや専用システム等を利用して、全在校生に注意喚起の文章を送付すると非常に効果的です。
例えばユーザーの多いFacebook messagerやLINE、をはじめ、Google chatやMicrosoft teamsなどのツールがあげられます。
スマホが生活に欠かせない留学だからこそ、各種案内や注意喚起の内容を素早く学生に伝達する事ができのが最大のメリットです。
但し、連絡網の見落としが発生する事もあるので、配信後、授業開始前や終了後に、クラスの先生か事務員から伝えてもらいましょう
紙媒体による注意喚起
やはり現代社会においても、紙媒体による注意喚起や通知が最も効果的で可視率が高いです。
特に必ず全ての学生に手渡せるので、漏れもなく確実に注意喚起ができます。
但し可視率が高い反面、プリント配布に関わる作業時間が発生しますので、グループチャットでの発信よりも時間を要するのが難点ではあります。
定期オリエンテーションの実施
上述の方法よりも時間がかかりますが、全学生を対象にオリエンテーションを実施する事が最も効果的な注意喚起方法です。
特にオリエンテーションは日頃の生活の歪みや弛みを正すキッカケにもなりますので、紛失意外にも注意喚起したい内容を資料にまとめ、説明しましょう。
掲示板に掲示は効果が薄い
在留カード紛失に関する注意喚起は非常に大切なことです。その為、確実に学生に伝えなければなりません。
掲示板も一つの手段として挙げられますが、可視率が低くあまり掲示板を見ない学生も多くいます。
その為、自己満足に終わってしまい、結果的に学生に全然伝わっていないといった事態が発生しますので、掲示板での注意喚起は避けましょう。
まとめ
在留カード紛失した場合の対応は事前に覚えておくと効率的な対応ができます。
また、未然に紛失を防ぐには定期な注意喚起やオリエンテーションが不可欠です。
残念ながら、世の中には紛失してしまった在留カードが悪用され、犯罪に利用されてしまう事もありますので、今一度留学生に理解してもらう必要があります。
在留カードは紛失しないに限りますが、もし紛失が発生してしまった際に本記事を参考に対応してみてください。