日本語学校の職員は稼げる?気になる収入事情を解説

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日本語学校の仕事

皆さん、こんにちは。

日本語学校で働く事を考えている人の多くが日本語学校職員の年収や給与水準について、気にされているのではないでしょうか。

今回は、日本語学校の事務方として10年働いた私自身の実体験と実際に見聞きして感じた業界の収入事情について、日本語学校の収益構造との関係性と合わせてご紹介していきます。

仕事のやり甲斐>給与

日本語学校で長く働いていると、「この仕事が好きでやり甲斐がある」との声をよく聞きます。しかし、同時に「やり甲斐があるけど給料がなぁ…」との悲観的な声も聞こえてきます。

この声を代表する様に、仕事のやり甲斐>給与の業界である事が言えます。

高所得が得られる業界ではない

上述の通り、いきなり高所得が望める業界ではありません。高所得を望むのであれば、商社や大手メーカーに就職される事を強くお勧めします。

特に日本語学校事務員の求人の多くが月額20-25万円(中途採用)で提示されている事からも、高所得な業界ではない事を証明しています。

年収は300-400万程度

もちろん所属している日本語学校や役職によって、支給する給与は異なりますが、実際に平均すると300-400万程度に収まります。

業界全体の賃上げ率(ペースアップ)は低く、巷が言う所の賃金上昇率に及ばない学校が大半です。

賞与はどれくらい貰えるのか

平均的に1か月分×2回が支給されている学校が多いです。但し、どんな業界も業績の良し悪しで賞与の支給額は決まりますので、業績が良ければ支給額が増える可能性もあります。

福利厚生は充実しているか

まず福利厚生において、大半の日本語学校は、一般的な社会保険(雇用•労災•健康•厚生年金)は完備しています。

社会保険以外の手当については、役職手当は多くの学校で完備されていますが、以下の様な手当は無い学校が多いです。その為一般的な企業に比べると、福利厚生の充実度は高くありません。

  • 住宅手当
  • 配偶者手当
  • 子ども手当
  • 物価上昇手当
  • 勤続手当

何故、他業界に比べると給与水準が低いのか

経営者ばかりがお金を吸い上げてるのでは?と思うかもしれませんが、日本語学校の給与水準が低いのには幾つかの理由があります。以下にその理由を記載しています。

収入源が主に学費しかない

日本語学校の収入源は、生徒が納める学費しかありません。一部学生寮を運営している学校は、寮費も収入にはなりますが、大半の学校は学費のみです。

生徒からの学費しか収入源が無いという事は、とにかくたくさん学生入学させて、学費を貰わないと収入は増えません。

収入が増えなければ職員への分配金(給与、賞与、昇給)も増えません。しかし、日本語学校が収入を増やす事は簡単ではありません。

定員を超過する事は絶対に出来ない

各日本語学校には定員があります。この定員を超過する事は出来ず、例えば定員が100人なら、最大でも100人しか入学させられないのです。

定員増には入管の認可が必要

では、定員を増やせば良いじゃん?と思うかもしれませんが、定員増を行うには入国管理局の許可が必要ですので、定員増申請を入管に申請します。

定員増申請をするには、以下の点を必ずクリアしていなければなりません。これも簡単な事ではなく、学校として適正な運営が出来ていなければ、クリア出来ません。

  • 定員数に対して、8割の充足率が達成されている(定員100人なら80人の在籍者がある)
  • 入国管理局から適正校の認定評価を得ている
  • 定員増をした際に、増員数分を収容する教室がある。また使用予定の教室が入国管理局が定める基準を満たしている
  • 入国管理局への各種届出を滞りなく履行し、適正に学校が運営されている(入管からの運営改善命令等を受けていない)。

入学を希望した留学生全員が入学出来ない(ビザ問題)

残念ながら、自分の学校に入学希望を出してくれた全ての留学生が入学出来るわけではありません。

何故なら、留学生にはビザが必要であり、入国管理局からビザの許可が出なければ、日本に留学生として入国出来ないからです。ビザが許可されなければ、その入学希望者から得られる収入は0です。

例えば、開発途上国である南アジア、東南アジアの国々からの入学希望者(ネパール、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、インドネシア等)のビザ許可率は全国平均60%-70%程度です。

東京入国管理局管轄にある日本語学校に限っては30%を下回る時も有り、ビザの不許可率が悪いと、収入が少なくなり、日本語学校の経営を大きく圧迫してしまうのです。

日本語学校で安定した収入を手にするには

高所得を簡単には望めないかもしれませんが、日本語学校職員が安定した収入を手にする事は出来ます。

この人が居なければという存在になる

先に述べた通り、収入源が学費のみであると、学校の収入増も簡単ではありません。その為職員に分配するお金(給与、賞与)は限られてしまいます。

その限られた分配金を少しでも自分の所に寄せる為には、その学校で必要とされる人材になる事です。

必要とされる人材が居なくなれば、学校運営に与える損失も大きく、替えがききません。その様な貴重な人材には役職を与え、役職者としての給与が支給される事になります。

失敗しても良いので役職を経験する

私は日本語学校入社後3年目で役職に就きました。役職就任にあたり、給与もかなり増えました。しかし、業務経験が浅かった事に加え実力が足りなかった為、就任から一年半後に降格されてしまいました。

役職で得られるのは収入増だけではありません。マネジメントを始め様々な業務を経験する事ができます。この役職者としての経験は、今後のキャリアに大きく活かされる事になるのです。

役職経験を積んで転職する

あなたを評価するのは、今所属している日本語学校だけではありません。日本語学校の求人を探せば、たくさんの学校が求人を掲載しています。

役職業務で忙しくしていると、井の中の蛙になりがちです。しかし、あなたが経験してきた辛い業務経験を必要としてくれる日本語学校はたくさんあります。

その貴重な業務経験は自信にも繋がり、転職予定先からの高い給与の提示に繋がり、収入アップを実現する事が出来るのです。

石の上にも3年、最初は低収入でも経験を積む

近年、教員不足が深刻な日本語学校業界において、教員の給与水準はこの10年でかなり上昇しました。教員に関して言えば、役職の経験を積めば更なる収入増を実現しやすくなりました。

しかし、まだまだ初任給は他業界に比べれば低いのが現状です。最初は低収入で辛いかもしれませんが、先ずは経験を積み、将来のキャリアを切り開く為、我慢しましょう。

その苦労が将来のキャリアを構築し、安定した収入を確保する事に繋がります。これば教員も事務員も同様です。

最後に

高所得な業界ではありませんが、自分自身のキャリアを構築する事が収入の安定に繋がります。

無論、全ての日本語学校の給与水準が低いわけではありません。経営努力により、職員の待遇向上を実現している学校もあります。その反面、怠惰で放漫な経営者の搾取に苦しんでいる学校職員もいます。

全国に日本語学校はたくさんありますが、これから日本語学校への就職を目指す方々のお役に立てれば幸いです。

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